資本金の額の減少(減資)
こんにちは。
司法書士・行政書士の千葉です。
さて、本日は【資本金の額の減少】です。
【減資】の方が一般的な言葉かも知れませんが、会社法の条文においては、あくまでも【資本金の額の減少】と記載されています。
資本金の額の減少を行う目的
会社法では、単に計算上の資本金の額を減少することとして整理されました。
よって、資本金の額を減少した金額相当分を株主に払い戻すためには、剰余金の配当といった資本金の額の減少手続きと併せて、別の手続きを行う必要があります。
また、資本金の額と株式数との関係も完全に分離されましたので、同時に株式を減少させたいときには、別途、株式消却や株式併合の手続きを行う必要があります。
上記のとおり整理された資本金の額の減少ですが、大まかに次のような目的で行われることが多いと思われます。
(1)欠損を填補する
(2)剰余金の配当を可能にする
株主総会の決議
原則として、株主総会の特別決議により、次の事柄を定めます。
①減少する資本金の額
②減少する資本金の額の全部または一部を資本準備金とするときは、その旨及び資本準備金とする額
③資本金の額の減少がその効力を生ずる日
なお、欠損填補の目的で資本金の額の減少をする場合に、定時株主総会において、定時株主総会の日における欠損の額を超えない範囲で決議するときは、普通決議で足りるものとされています。
債権者異議申述手続き
株式会社が資本金の額の減少を行う場合には、債権者異議申述手続きを行う必要があります。
具体的には、以下の事柄を官報に公告し、かつ、知れたる債権者に格別に通知します。
①資本金の額の減少の内容
②計算書類に関する事項として会社計算規則で定めるもの
③債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
上記の手続きは、効力の発生日までに終了する必要がありますが、会社法の改正により、株主総会の決議との先後関係は問われません。
また、重要な例外として、公告を、官報のほか、定款に定めた方法に従い、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法、もしくは、電子公告によりするときには、格別に知れたる債権者に通知することを要しません。
この方法は、知れたる債権者が多い大きな会社、例えば上場会社等が一般的に使用しています。
効力発生日
資本金の額の減少は、先に述べた株主総会の決議によって定められた日に生じます。
まとめ
資本金の額の減少は会社の規模にかかわらず、少なからず行われている手続きです。
当事務所においては、資本期の額の減少の手続きについて、スケジュールの策定から各種議事録の作成、債権者異議申述手続きの手配、そして登記手続きに関し、多くの経験を有し会社様をサポートしております。
資本金の額の減少をお考えの会社様、また、すでに手続きは開始したもののサポートが必要な会社様、是非、当事務所にご連絡ください。
よろしくお願い申し上げます。