合併における反対株主の買取請求権について

2018年10月26日

こんにちは。

司法書士・行政書士の千葉諭です。

 

今日は、合併の手続における反対株主の買取請求について記載していきます。

買取請求権者

合併の手続において、その合併に反対する株主は、その有する株式を会社に買い取るように請求することができます。

注意が必要なのは、合併を承認する株主総会において、議決権を行使できない株主であっても株式の買取請求権を行使することができます。

株式買取請求の方法

合併を行う会社は、その組織変更の効力発生日の20日前までに、株主に対して合併する旨の通知をすることが必要です。

ただし、①公開会社である場合、もしくは、②株主総会で合併契約の承認を受けた場合、通知に代えて公告によることができます。

会社が通知または公告をしたあと、合併に反対する株主は合併の効力発生日の20日前から効力発生日の前日までに、会社に株式の買取請求をすることになります。

さらに、合併契約書を承認する株主総会が行われる場合には、株主総会において議決権を行使できる株主は、株主総会に先立って反対の意思を通知し、株主総会で反対することが必要です。

なお、買取請求を取り下げる場合には、会社の同意が必要とされています。

株式の買取価格

反対株主は、株式の買取を公正な価格で請求することができるものとされています。

まとめ

M&Aのとき、グループ会社が多いとき等、会社が合併の手続を行うことは少なくありません。

合併の手続を行うにあたって、合併比率の算定や、官報公告等の債権者異議申述手続にばかり目を向けられがちであり、ここで取り上げた株主の買取請求の手続を行う事を失念するケースも散見されます。

株式買取請求制度は、既存株主の権利を守る非常に大切な手続です。

合併スケジュールを組む段階から、しっかりと念頭に置いておくべきでしょう。

 

当事務所においては、合併等の組織再編手続に数多く関わって参りました。

登記手続きのみならず、スケジュールの策定から実際の手続の進行をサポートまでを行っております。

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